データの取り扱いガイドライン

最終更新日: 2026年10月3日

ラボカレは、研究の予定— いつ、どの実験の、どの操作をするか — を管理するための道具です。 研究の中身(測定値や未公開の結果)を保管する場所としては 設計していません。

情報漏えいに対していちばん確実な備えは、そもそも漏れて困るものを置かないことです。 どんな保存場所を選んでも、機密が入っていれば不安は残りますが、 入っていなければ最初から困りません。このページでは、 そのための具体的な目安をまとめています。

1. 基本の考え方

カレンダーには「やったこと・やる予定」だけを書き、「何が分かったか」は書かない、と切り分けてください。

  • 入れてよいもの: 日付と時刻、所要時間、待ち時間、 使う装置の名前、担当者、進んだ / 遅れたという状況、 「測定した」「培地を交換した」といった作業の記録。
  • 入れないもの: 測定値そのもの、未公開の知見、個人を特定できる情報、 契約で守られている情報、パスワードなどの認証情報。

この切り分けを守っていれば、万一データが外部に出ても、 失われるのは「誰かが何月何日に実験をしていた」という程度の情報にとどまります。

2. 入力をお控えいただきたい情報

予定名、メモ、カレンダー名、テンプレートの工程名、コメント、 継代培養の記録など、入力できるすべての欄が対象です。

  • 測定値・解析結果そのもの

    収率、濃度、発現量、統計の結果など。数値は研究室の保管場所に置き、カレンダーには「測定した」という事実だけを残してください。

  • 未公開の知見

    塩基配列、アミノ酸配列、化合物の構造や組成、独自の条件設定、投稿前の原稿の内容など。

  • 特許出願前の発明の内容

    出願前に外部へ出た内容は、新規性を失って出願できなくなることがあります。予定名にも書かないでください。

  • 個人情報・被験者の情報

    被験者や患者の氏名、学籍番号、カルテ番号、検体の提供者が分かる情報など。匿名化していても、日付と組み合わせると個人が特定できる場合があります。

  • 共同研究先の秘密情報

    企業や他機関との共同研究で、秘密保持契約(NDA)の対象になっている情報。契約違反になる可能性があります。

  • パスワード・認証情報

    装置や学内システムのID・パスワード、APIキー、鍵の保管場所など。共有メモの代わりに使わないでください。

3. 名前は符号で書く

予定名やカレンダー名を符号にしておくと、画面を第三者に見られても、 自分と研究室の人以外には意味が分かりません。対応表は研究室の中だけで 持っておいてください。

避けたい書き方おすすめの書き方
抗体X 10 µg/mL で IC50 = 2.3 nM を確認実験A-3 測定
山田太郎さん(被験者3)聞き取り被験者3 面談
○○製薬との共同研究 化合物 ABC-123 の合成共同研究テーマ1 合成
装置パスワード 1234 で予約HPLC 予約(鍵・認証は研究室の管理台帳を参照)

実験テンプレートの工程名も同じです。テンプレートは研究室で共有されることが 多いため、そのまま条件が読み取れる名前は避けてください。

4. 詳細はどこに置くか

カレンダーから外した数値や詳細は、研究室が普段使っている保管場所に 置いてください。

  • 研究室が指定している学内のファイルサーバーやクラウドストレージ
  • 紙または電子のラボノート
  • 指導教員が管理している解析用のフォルダ

予定のメモには「結果は共有フォルダの ○○ を参照」のように置き場所だけを書いておくと、両方の利点が得られます。 このとき、リンク先そのものが誰でも開ける状態になっていないかも あわせて確認してください。

5. 共有・研究室の機能を使うとき

  • 共有すると、相手には実験名・予定の内容・ToDo などが表示されます。共有する前に、見られてよい内容になっているか確かめてください。
  • 特定のカレンダーだけを共有する設定もあります。全部を見せる必要がなければ、範囲を絞ってください。
  • 研究室の参加コードは、参加してほしい相手にだけお伝えください。コードを知っている人は誰でも参加できます。
  • 研究室に参加すると、主宰・スタッフがカレンダーを閲覧できます。見せたくない期間は、研究室の画面からいつでも公開を停止できます。
  • 共有は、必要がなくなったら取り消してください。卒業・異動した相手の共有が残り続けないよう、年度の切り替わりに見直すのがおすすめです。

6. 研究室で決めておくとよいこと

個人の心がけに任せるより、研究室の決まりとして1枚にまとめておくほうが 確実です。次の4点を決めておけば、ほぼ足ります。

  • カレンダーに書いてよい粒度(例: 「実験名は符号、数値は書かない」)
  • 数値や詳細の置き場所(例: 「学内ファイルサーバーの research/ 以下」)
  • 共同研究やNDAのあるテーマの扱い(例: 「テーマ名も符号にする」)
  • 卒業・異動時の手順(共有の取り消し、アカウントの削除、引き継ぎ)

新しく入った学生に最初に渡す資料としてもお使いください。

7. 端末とアカウントの守り方

実際に起きやすい漏えいは、データベースへの侵入よりも端末とアカウントの側からです。ここを締めるほうが、 保存場所を変えるより効果があります。

  • 研究室の共用パソコンでは、使い終わったらログアウトしてください。ログインしたまま離席すると、次に座った人が中身を見られます。
  • パスワードを他のサービスと使い回さないでください。他社から流出したパスワードで試されるのが、もっとも多い侵入経路です。
  • Google・Apple でのログインを使うと、パスワードを新しく覚える必要がなく、二段階認証もそのまま効きます。
  • 画面を投影・配信するときは、カレンダーに他の人の予定が映っていないか確認してください。
  • 端末を紛失・譲渡するときは、ブラウザに保存されたログイン状態を消してください。

8. 責任の所在

ラボカレ運営(以下「当運営」)は、本サービスの安全な運用に努めていますが、 次の点をあらかじめご了解ください。

  • どのような情報を入力するかは、利用者ご自身および所属する研究室の 判断と責任で決めていただくものです。当運営は、入力された内容を点検したり、機密情報かどうかを判定したり することはありません。
  • 当運営は、本サービスに登録されたデータの消失、漏えい、 第三者による閲覧、およびそれらによって生じた損害について、 責任を負いません。研究の成果に関わる重要な情報の保全は、利用者ご自身の責任で 行ってください。
  • 本サービスは無料で、現状有姿で提供されます。 データが常に保持されること、常に利用できることを保証するものでは ありません。重要な情報は、本サービスの外にも必ず控えを 残してください。
  • 利用者ご自身の操作によって共有した内容、および共有相手による 取り扱いについて、当運営は責任を負いません。

詳しい条件は利用規約(第6条・第11条)に定めています。取得する情報と保管場所についてはプライバシーポリシーをご覧ください。

9. 学内の規程が優先します

所属機関の情報セキュリティ規程、研究倫理の審査条件、共同研究の契約、 個人情報の保護に関する法令などに、本サービスの利用やデータの保存場所に ついての定めがある場合は、それらが優先します。 判断に迷う情報は、入力する前に指導教員や所属機関の担当部署へ ご確認ください。

お問い合わせ

本ページの内容についてのご質問、個人情報の開示・訂正・削除のご請求は、 下記までご連絡ください。

ラボカレ運営
iwase.workslab@gmail.com

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